第3回 まいどおきに露の新治です

 2014年2月8日
東京 内幸町ホール

「大雪の中、東京に向かっています。」(2014/2/8)

 今日の東京独演会「第3回まいどおきに露の新治です」は、大雪で大変な日になりました。開催できるかどうかもまだわかりません。とりあえず東京に向かいます。新幹線は遅れていますが、まだ動いているようです。願生! (9:19)


 東京に向かっています。京都駅は1時間以上遅れの列車が入ってきたり混乱してます。しかし、これだけの人が、この状況で東京を目指すのかと思うと、気合いが入ります。無事に発車、一面の銀世界を順調に走っています。私にとっては大変なことですが、二度とできない(したくない)経験です。しっかり味わいます。そして状況に応じてベストの形にします。なんかワクワクしてきました。願生ります! (12:28)


「13年ぶりの大雪に、第3回 まいどおおきに露の新治です」(2014/2/9)
 第3回東京独演会「まいどおおきに新治です」は、大雪のため、一時は中止も考えましたが、中止を周知徹底することもできず、とりあえずはやると決め、カラオケボックスに集合、打ち合わせ、稽古をしました。「兵庫舟」、「七段目」ともに、はめものがいろいろ入ります。会場に着くと、周辺は凍りついた世界で、とても何かやれる雰囲気ではなかったのですが、なんとすでにお客様が開場を待ってはります。やるとかやらんとか迷っていた気持ちもふっ飛び、バタバタと準備。お客様はなんと80人ほどに。「この人ら、ちゃんと帰れるんやろか?」。落語の決死隊のような熱い方々のお気持ちに感激。なんと「当日券が2枚」出ました。あの吹雪の中、当日券ですよ。もちろん前売り料金で入って戴きました。
 開口一番は、私の「兵庫舟」。まくら無しで入ってしまい、サゲがわかるかどうか心配しましたが、なんとかやれました。以下「あくびの稽古」・笑助、「七段目」・新治、(お中入り)、「演歌」・岡大介、「柳田格之進」・新治。終演21:35。片付けて、打ち上げもせず立川に着いたら、午前1時。大変な一日になりました。
 しかし、東京の落語ファンと生野高校の同期の熱い支えにより「ほんまに、やってよかった」と思える落語会がやれました。「つばなれしたら、各自が一席やって、帰っていただこう」とか考えてましたが、お客様の「聞いてやろう」という熱い気持ちに腰が座り、前回より長くやる始末。私の落語を聞くために、あの大雪、吹雪を乗り越えて会場まで来てくださるお気持ち。落語家として本当にありがたい経験をしました。何べんもしたくはないですが、いい経験になりました。嬉しかったので、お礼の気持ちを形にしたいと「決死隊の皆様を、次回の寄席にご笑待」することにしました。やむを得ず来られなかった方には、「返金か次回ご笑待」を選んで戴きます。
 あの状況でやれてよかった、いい経験をさせて戴いたと感激した翌日、夜来の雪も止み、日本晴れ。お日差しが雪に映えてまばゆいばかり。そうなると「なんで一日、ずれてくれへんかってん」と、今度は悔しさが。まだまだ修行ができてません。願生ります!

 関東では13年ぶりの大雪(暴風雪!)警報。気象庁からは「無理な外出はやめましょう」と警告が出ていた2月8日。西から低気圧と共に新治師匠がやってきました。北国では大騒ぎするほどの雪ではないかも知れませんが、虚弱な交通網を誇る東京では、この日に外出される方、外出できる方はごく限られていました。奈良から4時間以上かけて新治師匠が無事上京。関西を出るときにはここまで凄まじい状況になっているとは思っていなかった・・・と中止を検討する新治師匠。しかし、来ようとされている方はきっと早めに家を出ている時間。お知らせも徹底できないので、会は開催すると決めて会場へ向かいました。雪が止む気配はありません。お客様はいらっしゃるだろうか・・・。来ていただいたとしても、終演後に電車は動いているのだろうか・・・。不安を抱えながら会場へ向かいました。
 開場は18時30分ですが、18時前にはすでに数名お越しになってお待ちになっていました! すぐに開場し、ロビーで待機いただきました。10人(ツバナレ)も来れば御の字と話していましたが、最終的には70人強のお客様が、落語決死隊となり会場へたどり着いていただきました。主催者としては、皆さんをハグしたい気持ちでいっぱいでした(いらない?)。この日をどれだけ楽しみにされていたか、皆さんの新治師匠への愛を強く感じました。本当に、ご来場ありがとうございました!!
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落語決死隊の皆さま

 開口一番は新治師匠で「兵庫舟」。ハメモノも入り、上方らしい賑やかな噺で一気に会場をあたためます。

 そしてゲストの笑福亭笑助師匠は「あくびの稽古」(江戸では「あくび指南」)。実は上方のは初めて聴きました。銭湯とか将棋とか、江戸とは全然違うんですね。個人的に、落語らしくて大好きな噺の一つです。

 三席目はネタ出ししていた「七段目」。繁昌亭や鈴本でもかけていらっしゃいますが、今回はたっぷりバージョン。

 

 中入りでネタ帳を記入中の新治師匠。日付の横に「大雪の日」と書かれてます。

 中入り後はゲストの岡大介さん。沖縄のカンカラ三線でまずは陽気に岡晴夫の「憧れのハワイ航路」。外が雪だということを忘れそう!?そして硬派に明治大正の演歌を。

 最後は新治師匠で「柳田格之進」。東京でかけるのは初めてです。まくらでは狭山事件の石川さんの冤罪についても触れました。新治師匠ならではのまくらですね。実直な石川一雄さんと格之進が重なります。雪の高津神社。格之進と番頭の再会。太鼓で雪音を入れるのは新治師匠のオリジナル。この日ばかりは雪景色がより鮮明に脳裏に浮かびます。


  

 よく見ると、手拭いがさん喬師匠のもの(松葉)でした。お気づきになりましたか?

 終わってみれば拍手喝采。帰りに皆さんから「この雪の中、来た甲斐があった!」とおっしゃっていただき、ありがたくも嬉しく思いました。
 最後にお知らせです。今回、交通状況等の理由によりご来場できなかった皆さま。払い戻し、もしくは次回「第四回まいどおおきに露の新治です」(9月21日【日】14時〜)への振り替えをお受けいたします。どちらが希望かをご記入の上、東京事務局までご連絡ください。折り返し詳細をご連絡いたします。tsuyuno_shinji@yahoo.co.jp(露の新治東京事務局)
【2014.2.10 露の新治東京事務局】

皆さまからの感想、レポート

 今日は楽しませていただき、ありがとうございました。落語会、とても楽しかったです。久しぶりに生で上方落語が聞けて本当よかったです。ありがとうございました。これからもご活躍を願っています。【2014.2.8 TH様】(内幸町ホールでの独演会の感想をお寄せいただきました。大雪の中、ありがとうございました。MORI)


 本日は大変おつかれさまでした! 語る方も観る方も大げさではなく、命がけでしたね。行きに内幸町A5出口を出たときは、冬のオリンピックが開催できるくらいの状況で、心底後悔しました。(苦笑) でも帰るときは本当に行って良かった!と思いました。初生落語でしたが、これほど達成感、充実感があるとは思いませんでした!(爆) 新治さんは無事立川にたどり着けたでしょうか? こちらは何とか帰り着き、一息ついたところです。 どの演目も新鮮でとても良かったですが、個人的には「七段目」の、新治さんの役者顔負けの役者ぶり! 旦那、若旦那、番頭、平右衛門、お軽を新治さん一人で演じきって最高におもしろかったです! また「柳田格之進」の冒頭に、濡れ衣の例として、狭山事件の鴨居の万年筆を持ち出された時は、心底うれしかったです。あとカンカラ三線の岡大介さん、かなり気に入りました。「無実手ぬぐい」、ぜひ使って下さい! 9月はご招待にあずかりたいと思います。その頃までに、狭山の再審の見通しが立っているといいですね。

  

【2014.2.9 東京都世田谷区 NM様】(こちらも内幸町ホールの感想をお寄せいただきました。メールに出てくる「無実手ぬぐい」は、4つ上のメールを見て下さい。次回もよろしくお願いします。MORI)


 東京の落語会大雪の影響でたいへんだったのですね。でも大勢の方が来て下さったのもとてもステキなことです。そしてその方達に次回ご笑待券だすなんて さすが新治さん。来られなかった方にも次回か払い戻しなんて新治さんの心意気を感じます。【2014.2.9 大阪市淀川区 MM様】(その日は鈴本演芸場が夜席を取りやめたくらいです。なのに、新治の独演会は決行。だから、そんな中来て下さったお客さんには、頭が上がりません。決行、結構! MORI)


 昨晩の内幸町の落語会は、大雪という誠に有り難くない状況にもめげず、新治師匠は明るく爽颯と登場されました。反射的に私は「マッテマシタ!!」と叫んでいましたよ。お疲れもみせず「兵庫船」「七段目」「柳田格之進」と3席熱演され、終演は予定の9時半を回っておりました。新治師匠の「柳田格之進」はお初に伺いました。この噺はさん喬師匠も得意ネタとされていますが、新治師匠の「柳田格之進」はこれまた一味違った噺に仕立てられていて、新たな感銘に浸りました。随所に新治師匠の優しさが溢れていましたね。だいぶ前にさん喬師匠が、深川の落語会で「上方で素晴らしい噺家さんを見つけました。いずれ皆さんにご紹介出来ると思います。どうぞお楽しみに。」と話されていたのを思い出しました。それから程なくさん喬師匠の会に新治師匠がデビューされたのです。私はそれ以来からのファンですが、改めて今晩またその意を強く抱いた次第です。新治師匠は「今晩は天災ともいうべき大雪でしたから、お出でになれなかった方がおられます。頑張って来られた皆様方も含めて、次回の内幸町落語会は、皆様をご招待致しましょう。」という有難いお申し出がありました。「実にいい会だった。」と、私は心のなかに暖かいものをしみじみ感じながら、雪道を踏みしめて帰途についておりました。【2014.2.10 東京都渋谷区 ON様】(本当にたいへんな天候の中、よくお越しいただきました。無事にお帰りいただけたようで、安心いたしました。次回もどうぞよろしくお願いします。MORI)


 すばらしく堪能させて頂きました。次回、東京での二人会等、行かせていただきたいので、メールマガジンを申し込みます。雪の日、きっと一生懸命してくださることは最初からわかっておりました。ですので、無料とか、次回と引き換えとかならなくても、あの日聞けた人に満足しなかった方はいないと思いました。お気持ちありがたく頂戴いたします。p.s.チラシだけを頼りに御伺いしたので、30代の方だと思っておりました。似顔絵、ポップですね(^^)。【2014.2.10 YC様】(写真はイメージです。数年前のポスターには、かつて若い頃の画像を使っていたとき、そう注釈を付けていました。でも先日のポスターは、昨年の画像です。50代でも本人は喜ぶと思いますが、30代とまで言われると、信じがたいものが・・・MORI)


 私は、8日(土)の内幸町を「断念」した組です。横浜は吹雪いていました。当日「決死の覚悟で」出かけた都内在住の知人が、どんなに素晴らしかったかを教えてくれました。また、あの日来られた方々は、次回へは「ご招待」という件も。新治師匠の意気を感じるなぁと思っておりました。いっぽう、「行かなかったのは自分の判断、帰りの電車が途中で止まったら帰れなくなる。それにしても、『柳田格之進』は聴きたかった。」と。家で悶々としていたところ、twitter で、なんと「次回への振替も検討中」との告知があり! すんでのところで、チケットを破って捨ててしまうところでした。有り難く、9月の会へ振替をお願いしました。決死隊の方々→ご招待。行かれなかった者→振替。するってぇと、9月の会では皆が新治師匠に招待されることになる。。新治師匠、有り難うございます。【2014.2.11 神奈川県横浜市 NH様】(いくら悪天候と言っても、暴風雪警報?が出ていたとか。大雪警報でも命に危険な場合があるのに、暴風雪ですから、言ってみれば台風と大雪が同時に来たようなもので、無理しないで正解でした。そういうときは、「たかが落語」と思ってください(笑)。今回のキャンセルにつきましては、次回の新治寄席にご笑待がありますので、お楽しみに。MORI)


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